- 2011年9月14日 14:35
彼女は七色の絵の具で描いていた
その絵の具に黒はなかった
ただ美しく曇りがなく
笑顔で描き続けているのだろう
不安や不信はかけらも感じられなかった
おそらく筆は軽やかに
ペーパーの上で
するすると流れていたに違いない
彼女の絵の具に
ある日黒が加わった
その美しさは形を変え
笑顔には少しかげりが見えた
不安が色彩として生み出された時
おそらく筆は重く
ペーパーの上で
ずっしりと降ろされたに違いない
私はその時 人間を感じた
曇りの無い人間はまやかしだろうと
しかし私たちは
その曇りを盲点に隠したまま
生きる事もできる
選択は私たち自身に委ねられている
彼女は絵の具に黒を加えた
それは闇であって
人間である
闇と美しい色彩が
いつの時代も混在している