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新緑の伴奏に乗って

  • Posted by: 悠家
  • 2010年6月 4日 22:20

 大江山の萌える緑の中、軽やかで心地いい音色が響いていました。演奏会でもなく、何かのイベントでもなく。82年目を迎えたおじいちゃんが奏でる小さなギターは、まさに自然にとけ込んでいました。


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写真に収まる素敵な小旅行

 私はこの日、仕事の関係で大江山(福知山市/宮津市/与謝野町)の各地をうろうろしていました。二瀬川渓流のあたりで、何やら崖っぷちに立って写真を撮ろうとしているおじいちゃんが・・・なんだか気になって様子を伺っていましたらが、特に問題なくおじいちゃんは写真を撮り終え、近くに停めていた車に乗り込みました。

 ほどなくして、私も持参していたカメラで渓流を撮った頃、さっきのおじいちゃんが私に話しかけました。「いいカメラもってはるねぇ」と。

 聞くと京都市内の方で、丹後に小旅行に来ているのだとか。近くで宿をとり、明日は久美浜まで行くのだと。どうやらカメラがとても好きなご様子。けど、ずっと昔から写真を撮っていたのではなく、話の流れからしてわりと最近写真を撮り始めたのだと分かりました。少しカメラについて話した後、私たちはその場を離れました。

鬼もにっこり笑うかもしれない、軽やかな音色

 その後、私は鬼のモニュメントに向かうべく車を走らせていたら、酒呑童子の里のあたりで先ほどのおじいちゃんが・・・なんと、小さな折りたたみ椅子に腰掛けてギターを弾いていたのでした。

 近くにいって話しかけると、おじいちゃんは笑顔で応えてくれました。このギターはギタレレといって、ウクレレとギターの間みたいな楽器です、と。ギタレレが発売された頃すぐに買ったものだそうです。ギタレレにはナイロン弦が張られていて、私悠家がいつも弾くスチール弦とは違い、なめらかで優しい音色です。

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 その楽器がどう、というよりも、この山中でギターを弾くおじいちゃんに出会うということがそもそも新鮮でした。写真を撮らせてもらおうとお願いしましたが、とても恥ずかしそうにされたので諦め、少しお話をしたあと私は目的の鬼のモニュメントへ向かいました。

 モニュメントは、おじいちゃんがいた場所から少し丘に上がった場所にあり、その場所から小さく、おじいちゃんの停めた白い車を確認することができました。そこからは肉眼で彼の姿を確認することはできなかったけど・・・

 しかし、かすかにあの音色は響いて来たのです。ほんとうに、かすかにですが、ポロン、ポロンと。山々の音に溶け込むように。


gchan.jpg

 その心地は、なかなか言葉で表現することはできません。けど、普段音楽が出来る場所を求めて彷徨う自分にとって、何かすごく大事なことに気づかされたような気がしました。

見返りのない音楽会

 私たち音楽に関わる人間は、誰かに聴いてもらいたい、見てもらいたいと、結局のところは何か見返り求めています。けどおじいちゃんは、おそらくそんなことは一切考えていなかったでしょう。ただ静かに、自然の中で写真を撮って、時間にまかせて優しくギターを弾いていた。

 そんなおじいちゃんの余りにも自然な姿を、大江山の雄大な環境が演出しているかのようでした。人為的に手の込んだことをしなくても、十分に自然が応えてくれていて、最高の音色がそこにはある。演奏する環境と調和することも音楽の一つなんだということを思わされます。

 私はこのまま帰るのがあまりにも忍びなくて、三たびおじいちゃんのもとへ。ギターの写真を撮らせていただくのだけは、快く了承してくださいました。

 聞くと、もう50年も前から、何度も丹後に訪れているそうです。私なんかよりもずっと、丹後に関して先輩だったのですね。82歳になるおじいちゃんは、久美浜の方も楽しんでもらえたでしょうか。

 そういえば、ギターを撮らせていただくとき「こうしたほうが光線状態がいいかな・・・」と、さりげないこだわりを見せてくださいました。またどこかで出会えたら、写真とギターの話をしましょう。これからも、どうぞ丹後へ。

Comments:3

夢来菴 2010年6月 5日 09:38

いいなぁ~
なんかおじいちゃんのギタレレの音が聞こえてきそうな感じ・・・
いいお出会いをされましたね!

み帆 2010年6月 5日 18:34

素敵なおじいちゃまですね。
あたしは楽団以外で単独に近い形で人に聴いていただけるような
ことは無理なレベルの人間ですが
音楽って「ああ。。こういうもんなんだなぁ~」って実感する日記でした。

キッチンにたっていて自然に歌を歌う。
運転していて歌を歌う。
山を歩いていて海を見ていて歌う歌う。

楽器を手にすると奏でてみたくなる。

そんな日常がこれからもずっと続きいていけばいいなと思います。

そしてそんな音を奏でる人が気持ちよく演奏できるように
司会をさせていただければこんな幸せなことはないな~と
がっしゃあでも思いました。

それにしても。
ゆうけさんにはこういう方と出逢うなにかがあるような気がしますよ。

*リンクありがとうございます。
こちらも登録させていただきました。


悠家 Author Profile Page 2010年6月 6日 00:04

>夢来菴さん
ありがとうございます。本当に偶然で、しかも最初はおじいちゃんのほうから
話しかけてくださったのが、その数分後に音楽でもつながるとは・・・
思っても見ませんでした。
家にこもっていたら、こういうことはないですね。しみじみ思います。

>み帆さん
ありがとうございます。本当にそうですね。
自然に生まれてくるものであって、無理してやるものじゃない、
音楽ってそういう感じがしました。
特に小さい頃に無理矢理ピアノを習わされて、上手に弾けるけど
ピアノが嫌い、という人が結構いたりして、
音楽が歪んでしまっているのを感じたりします。

最近、ライブを行う、という状況を無理矢理作ることに違和感を
感じ始めていた頃でした。
もっと自然に、無理なく音楽が伝えられる環境ができたら・・・
壮大な夢ですが、本当にそう思います。

み帆さんのナチュラルで明るい司会と、
いずれは音楽面もどうぞよろしくお願いします(^o^

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